高次脳機能障害における後遺障害等級
1 高次脳機能障害とは
高次脳機能障害は、交通事故で脳挫傷などの外傷を負い、知覚、記憶、学習、思考、判断などの認知過程に障害が生じていることをいいます。
高次脳機能障害で生じる症状は様々であることから、多くのケースで、高次脳機能障害が生じているのか、高次脳機能障害の症状にどの程度の後遺障害等級が認定されることが相当なのかといったことが問題となります。
2 後遺障害等級の種類
高次脳機能障害の後遺障害等級の種類は、後遺障害等級表において以下のように定められています。
⑴ 1級1号
神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
⑵ 2級1号
神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
⑶ 3級3号
神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
⑷ 5級3号
神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
⑸ 7級4号
神経系統の機能または精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
⑹ 9級10号
神経系統の機能または精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
3 後遺障害等級の種類による賠償額の違い
高次脳機能障害に対し、どの後遺障害等級が認定されるかで賠償額が変わります。
例えば、後遺障害慰謝料であれば、2級1号の場合は2370万円が後遺障害慰謝料の目安となり、7級4号の場合は1000万円が後遺障害慰謝料の目安となります。
このように後遺障害慰謝料ひとつとっても、どのような等級が認定されたかで大きく金額が変わります。
高次脳機能障害の画像所見について 労災で高次脳機能障害となったとき