むちうちになった場合の慰謝料の相場
1 むちうちと慰謝料の算定基準
交通事故の被害者は、加害者からケガの種類や治療期間などに見合った慰謝料の賠償を受けることができます。
交通事故で負うケガとして多いものに、むちうちと呼ばれるものがあります。
一般的にむちうちという言葉は、頚椎捻挫、頚部打撲、外傷性頚部症候群などと診断され、レントゲンなどで外傷性の異常を伴わない頚部に負ったケガの総称として使用されています。
慰謝料の金額の相場は、実務上は、被害者間の公平等を図るため、大阪であれば、「大阪地裁における交通損害賠償の算定基準」いわゆる「緑本」と呼ばれている本に載っている算定基準に基づいて考えられています。
以下では、「緑本」の基準に基づいた場合のむちうちの慰謝料の相場について見ていきたいと思います。
2 むちうちの慰謝料の例
「緑本」の算定基準を用いてむちうちで3か月の間に40日通院した場合の慰謝料の金額を算定すると、慰謝料の相場は以下のようになります。
⑴ 他覚所見がない場合 48万円
⑵ 他覚所見がある場合 72万円
他覚的所見とは、画像検査(レントゲン・MRIなど)や神経伝導検査などにより、客観的に確認できる所見を意味します。
なお、自賠責保険の基準を用いた場合の慰謝料額は、34万4000円(40日×2×4300円)となります。
他覚所見がない場合であっても、「緑本」の算定基準を用いた方が、自賠責保険の基準よりも金額が高くなることが分かるかと思います。
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