自転車の事故でもむちうちになるのか
1 むちうちとは
交通事故に遭った際に負う怪我の種類として多いものに、いわゆるむちうちと呼ばれるケガがあります。
一般的にむちうちという言葉は、病院で頸椎捻挫、頸部挫傷、外傷性頸部症候群などと診断されるレントゲンなどで外傷性の異常を伴わない頸部に負った傷害の総称として使用されています。
自転車の事故でも頚部を負傷することはあるため、自転車の事故でもむちうちになることはあります。
2 むちうちの慰謝料の算定基準
交通事故でケガを負うと、そのケガの種類やケガの治療にかかった期間などに見合った慰謝料などの賠償を交通事故の加害者側から受けることができます。
自転車の事故でむちうちとなり、治療を要した場合も交通事故の加害者側から慰謝料などの賠償を受けられます。
慰謝料は、交通事故により被害者が被った肉体的・精神的苦痛を損害として金銭に換算し、賠償するものであることから、肉体的・精神的苦痛を金銭に換算するとして、いくらであれば適切といえるかが問題となります。
本来的には、各交通事故被害者の事情を踏まえ個別的に適切な傷害慰謝料を判断することが損害の回復として適切といえますが、全く目安となる基準もなく裁判所が個別的な判断をしてしまうと判断する裁判官により慰謝料の金額に大きな差が生じてしまう恐れがあります。
そのため、裁判等で傷害慰謝料の金額を考えるにあたっては、被害者間の公平等を図るため、「赤い本」「緑本」と呼ばれている本に乗っている算定基準に従い傷害慰謝料の金額の目安を判断されることが多いです。
3 むちうちの慰謝料の目安金額
「緑本」の算定基準を用いてむちうちで3か月通院した場合の慰謝料の金額を算定すると慰謝料の目安金額は48万円となります。
なお、慰謝料の算定基準には、裁判基準以外にも自賠責基準や任意保険会社が慰謝料を提案する際に用いる任意基準等があります。